歌うように会話する

コミュニケーションがうまくいく時と、そうでないときがある。
一対一でも、対集団においても。



以前は、うまくいかなかったとき(自分の望む形に集約できなかったとき)には
かなり反省し、悩んだものだが、今はあまり考えなくなった。



結局、悩んだって仕方ないし、
なるようにしか、ならないのだ。
それが他者との関係性の中で価値を生み出す行為なら、尚更だろう。



コミュニケーションは、歌に似ている。



カラオケで良く居る、自分の歌に酔っいる人は論外。
それを聞く側からすると、あまり楽しいものではない。



また、音程等を気にしすぎるあまり「自分の歌声を聞きながら」歌うのも良くない。
そもそも自分の声を聞いている段階で、出遅れているのだ。



声を聞いて音を確認したところで、次に出すべき音が既に来ているのだから、
必然的にメロディがずれるし、結果として音程も取り辛くなる。



基本的に、歌唱中はリズム隊(ベースとドラム)を聞くことに注力した方が良い。
さもなければグルーヴ感が出せない。



そのうえで、聴き手にとって心地の良い歌声を意識しながら、力を抜いて歌う。
喉に変な力の入った声は往々にして聞き苦しいからである。



ただ、これは、自分の歌声にある程度自信がないとできないことで、
慣れないうちはどうしても自分の声が気になってしまう。



だから、そこそこ音程やリズムが取れるようになってきて、
かつ自分の歌声に自覚が持てるようになるまでが、とても難しく感じるのだ。



以上、歌を喩えにして説明したけれど、
対人コミュニケーションにも極めて近いことが言えるのではないか、と思う。



目の前にいる相手が作っている「流れ」のようなものに、そっと自分を沿わせる。
自分が流れを作ろうとしてうまくいく場合も当然あるけれど、
それだけでは全てのケースに対処できない。



なるようにしかならないから、肩の力を抜いて行こう。
そして、歌と違って、こちらはあまり技術を意識する必要はないと思うのだ。
人との会話には、楽譜に正解として定められた音程もリズムも、ないのだから。