2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

書き続けるということ

短歌を作っている若い人が、ある歌人にこう言ったそうだ。 「行き詰まったので、歌をやめようと思います」 その先生が返す言葉が凄い。 「偉そうなことを言ってはいけない。君が歌をやめるのではなく、歌が君を見捨てたんだ」 厳しいけれど、これが書き続け…

心、ここにあらず

冷淡に接したり軽薄に振る舞ったりするのは、 ――自分が傷つくのが怖いから? 11月28日はこの疑問が頭から離れなかった。 この日は面白い作品にたくさん出会った気がするが、 何を感じ、考えていてもこのシンプルな疑問が私の頭に鎮座していた。 ひとつの…

再読で見事にハマる――村上春樹「ノルウェイの森」

今のように感性が鈍った時は、とにかく作品に触れることにしている。 それも、かつて自分が凄く好きだった作品だったり、 あまり大衆性のない作品だったり。 そんな中、面白いな、と思ったのが、3年振りに読んだ 村上春樹の『ノルウェイの森』である。 誇張…

感情の振れ幅の激しいころには

感情の振れ幅の激しい時期がある。 いま、まさにその最高潮な気がする。 こういう時期は、何かにつけてムラが出る。 日常的にこなすタスクの面でもそうだし、 対人関係に至ってはムラが転じて愛情不信症になる。 このブログの文章についても言えることで、 …

100円玉

100円玉を拾った。 後に気付いた事だが、これは私にとって大きな痛手となりそうである。 □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ 午後7時。人がめまぐるしく往来する高田馬場駅の改札前で、私は人を待っていた。 "キヨスクの辺り"という漠然とした指定だったので…

悩み

私は自分に自信のない人間である。 人格の9割以上がコンプレックスで出来ているのではないかと思う。 改めて考えてみると、今の自分を築いている能力やスキルも、 全てコンプレックスの裏返しとして身につけたものだと気付く。 凄いヤツにならないと、人の…

スランプ?

最近、書くことが全く思いつかない。 以前は更新のためにPCの前に立つと「書きたいこと」が脳内を駆け巡って、 ダーッとキーボードを叩いていたら文章ができていたのだけど、今、それがプッツリと切れている。 この状況は、なかなかに辛い。 約3カ月の間…

与えられるのを待つ前に、まず自分が与える

私が出ている某ゼミは、「掲示板」というツールを用いている。 毎回のプレゼン、その発表者へのコメントや、ゼミ内の議論で消化し 切れなかった話をこの「掲示板」に書き込む。 「書きこむこと自体もそうだけど、お互いを評価し、時には指摘し合う、 ギブ・…

サバサバ系女子の支持母体

何かと自分の意思ありきで、自分のやりたいことを通してきた女性。 ――そんなサバサバした自分はまるで男みたい、女の子らしい可愛い部分が欲しい――という人がいる。 (たぶん)本人は言うほど悲観視はしてないだろうけど(もし深刻に悩んでたらゴメン)、 私…

疲労、反省、感謝、そして未来

最近、生活がとても充実しているせいか、帰りが遅くなることが増えた。 そして連日のように、疲れ切った状態で帰宅している。 遅い時間に、疲労を蓄積して帰ってくると、 帰宅した瞬間、まるで電池が切れたかのように眠ってしまう。 昨日はジャケットを着た…

ゼミでの気付き

ゼミの帰りに、ある人から言われた。 「○○さん(筆者)って、絶対ワタシとは違う所から声出てますよね」 なるほど。 自分で言うのもなんだが、私の声はそれなりに“通る”方だと自負している。 歌好きだしね。むしろ、自分が唯一、他人に誇れる外面的特徴だ。 …

インターンを始めてみたい、と少しでも思っている人へ

いま5時40分、目が覚めた。 このブログの記事が「一日分」として記録されるのは、同日30時(翌6時)までである。 時間が、ない。 近況報告なら、すぐに書けるか。 □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ 今日はこのイベント http://www.etic.jp/fair/ の実行…

人間、フツーでいい。

普通って言うな! ――という叫びを心に抱く人は、決して少なくないと思う。 少なくとも自分は、そう思いながら生きてきた。 この"普通コンプレックス"は、反動として自己顕示欲を生む。 しかし普通さ故に自己顕示がうまくできず、より普通コンプレックスが助…

許すこと、許されること

NHKの番組「プロフェッショナル」のテーマ曲、 「progress」の歌詞が好きだ。(※作詞・作曲:スガシカオ) ぼくらは位置について 横一列でスタートをきった つまずいている あいつのことを見て 本当はシメシメと思っていた 誰かを許せたり 大切な人を守れ…

「忘却の旋律」を読み返してみた

先日に引き続き「忘却の旋律」について。 この漫画の何が好きかといえば、要所要所でキャラが話す台詞が 常に「生き方」をテーマにしたものになっており、 読むたびに考えさせられるものがある。 □■あらすじ■□ 人間がモンスター*1との戦争に敗れ、モンスター…

私にとって魂のマンガ――片倉真二「忘却の旋律」

近いうち「このマンガが凄い」というタイトル(未定)で対談記事を作る予定である。 (このタイトルは某宝島社のモロパチなので修正の必要があるのは置いといて) 対談の内容は、“私と友人二人の計3名で、それぞれが「魂のマンガ」と認める3冊を持ち寄って…

運命の出会い――人生の起爆剤となった瞬間――

友人宅にて。 愛とは何だ、というテーマを肴に三人で夜通し語り明かした。 時間がすぎるのも忘れ、気がつけば午前9時になっていた。 愛とはなんだ。 実のところ、私には人間不信(特に女性不信)のきらいがあって、 打算なき人間関係とか、無償の情というも…

恩師を思ったとき

先日、市橋達也容疑者について記事を書いた。 はてなブックマークを巡っていて気付いたのだが、 彼の大学時代縁のあった本橋直樹(千葉大学教授)氏がこのような文章を自身のブログで掲載していた。 いまはあえて全文引用させていただく(帯域幅制限が解除さ…

市橋達也、マスコミの罵声、あるいはメディア・スクラム

市橋達也の逮捕劇を見ていて、思う。 日本のマスコミの、なんと下品で醜いことだろう。 (「もはや容疑者よりもマスコミのほうがニュース映像になっている」との説明文が、実に的を射ている) 逮捕前は顔をさらしてひたすら煽り、 直前は実況生中継の大騒ぎ…

能書きを垂れていらっしゃる――荒川弘「鋼の錬金術師」

「嗚呼、良い音だ……。身体の底に響く、実に良い音だ。 脊髄が悲しく踊り、鼓膜が歓喜に震える。 それを、常に死と隣り合わせのこの地で感じることのできる喜び。 ――なんと充実した仕事かぁぁ!!」 「鋼の錬金術師」にて、“紅蓮の錬金術師”ことキンブリーが …

歌スタ 11月9日放送

先日放送された「歌スタ」。 この番組は、以下のプロセスを行うオーディション番組だ。 (1)プロの歌手をめざす「うたい人」が、音楽プロデューサーの前で一曲カラオケを歌う。 (2)「ヨロシク」の評価が上がれば、そのプロデューサーに楽曲を提供してもらえる…

テレビを点けずにテレビを観る方法

私はテレビをあまり見ない。 別に嫌いというわけではなく、単に「点けない」というだけの話である。 なんか、テレビを点けたことにより 「なんとなく時間を消費」するのが、たまらなくもどかしいからだ。 身近に話を聞くと、これと同意見の人は結構多いよう…

失って、遠回りして、初めて気づくこと。

今回は、このブログを始めて最も書くのが辛い記事になった。 バイトを、辞めた。 それも、けっこう早期で、まだ研修期間の身だった。 もちろん入ったときは長期間働くつもりだったのだが、 自身の環境の変化から辞めることに決めた。 この決断をする前には、…

火坂雅志「名将の品格」

名将の品格 (生活人新書)作者: 火坂雅志出版社/メーカー: 日本放送出版協会発売日: 2009/02メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る このタイトル、下品だな。まぁた「品格」かよ――というのが 最初の印象だったけれど、読んでみるとなかなか面白…

映画のみかた

先日のメディア論ゼミの発表が面白かった。 テーマは「映画」。 題材のテクストでは、メディアとしての映画館を扱ったもので、 パノラマ館から現代のシネコンに至る歴史を追っていた。 発表のテーゼを抽出すると、こうだった。 「映画館に入ると、観客は退室…

本音で語る

自分が思っていることをストレートに言えなくなったのは、いつごろからだろう。 青臭いけど、そんなことを考えてしまった。 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ 今日、ゼミの帰りに、昔馴染みの友人と話した。 話に興が入って、普段の大学生活で思う不満や、 …

しりあがり寿「表現したい人のためのマンガ入門」

マンガ入門 (講談社現代新書)作者: しりあがり寿出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/07/19メディア: 新書購入: 1人 クリック: 23回この商品を含むブログ (75件) を見る マンガ家しりあがり寿の創作論。 この作者の認知度は決して高くない。マンガ読みを自…

11歳のころの僕に帰った――ビートたけし「少年」

少年 (新潮文庫)作者: ビートたけし出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1992/01/29メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 30回この商品を含むブログ (12件) を見る 小学5、6年生のとき、ビートたけしの小説をかなり読んでいた。 読書少年だった、というわけでは…

本が読みたくなる本――永江朗「不良のための読書術」

出版年鑑2009によると、2008年の ・書籍収録点数が79917点(件数にすると78013件) ・雑誌点数4353点(創刊187休・廃刊186) だそうである。 書籍だけでも、単純計算で80000÷365≒220。 毎日、約220冊の新刊が現代では刊行されている。 これは…

駅ダンジョンの世界

サークルで「決戦 渋谷駅!」という小ネタが出たことがある。 渋谷駅の構造が、RPGのラストダンジョンのようである、というのがその由来。 というわけで、渋谷駅。 私は実際、ここでよく迷う。 ハチ公前から田園都市線に乗ったときは、本当におのぼりさん…