他人の経験は、それだけで面白い


昨日書いた記事を読み返してみると、
不思議と驚いた。



まるで、小説みたいだ。
そう思った。



別にカッコつけようとしたのではなく、
同窓会を通じて胸中に生じた郷愁を書きとめようと思っただけ。



そしてそれを他人に見せるからには、なるべく場面がしっかり伝わるように丁寧に書こうとした。
それだけで、どこか心に引っかかるエピソードが成立する。



考えてみると、これは小説を成す本質のひとつなのかもしれない。
すなわち、



「他人の経験は、それだけで小説的な特性を持つ」



ということである。



他人の経験。
それは、読み手からすると「作者」かもしれないし、
作中の登場人物かもしれない。



その彼の経験を丁寧に書くことは、基礎であり、テクストを成立させる原則だ。
技巧に目が行くとついつい忘れてしまいそうになるが、
物書きを目指す人はつねに心にとどめておく必要があることだろう。