就職について本気出して考えるためのマンガ――三田紀房「銀のアンカー」
ドラゴン桜で有名な三田紀房が書く「就活のマンガ」、
「銀のアンカー」(SJ連載)が第8巻で完結した。
- 作者: 三田紀房
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/10/02
- メディア: コミック
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早速購入し、読み終えたのだが、
やはりこの漫画はとても面白い。
とりあえず、私は大学生の友人には積極的にこの漫画を薦めている。
よくある就活本のように通り一辺倒なアドバイスではなく、
「他の学生と自分を差別化しろ」
などの実用的な価値観が頻出するからだ。
可能な限り面接官の立場を慮って考えてみればわかることであるが、
「どこでも言ってそうなこと」、「就活本に書いてありそうなこと」、
を並べる人材より、
「その人の人柄・個性が滲み出ること」、
「聞いててワクワクすること」、「一緒に仕事がしたいと思わせること」
を言う人材の方が欲しいに決まっている。
ただ、それを公然と書いているメディアは本当に少ない気がする。
だから「銀のアンカー」は面白い。
作者・三田紀房は8巻末の
「三田紀房最終講義〜あとがきにかえて〜」でこう記している。
「(前略)就活の専門家でもない僕が、わざわざ漫画というメディアで就活を描く必要はない。そう思われても仕方ないはずだ。
しかし、いや、『だからこそ、漫画』なのだ。
率直な話をしよう。現在、就活関連で出回っている情報(テレビ、新聞、雑誌、ネット)のほとんどは就職サポート産業や大企業の息がかかっていると考えたほうがいい。情報提供という形にしろ、広告出稿という形にしろ、なにかしらの恰好で就職サポート産業や大企業の人事部が絡み、情報をコントロールしている。広告に頼った旧来型メディアでは、どうしても彼らの意向を無視することができないのだ。
一方、漫画にそのような制約などいっさい存在しない。だから彼らが絶対に口にしないような就活の「真実」を描くことができる。企業の本音、社会の仕組み、そして誰も教えてくれない就活の必勝法まで、全てを描くことができる。世の中にはびこる就活や仕事のウソをひっぺがすことができる。『だからこそ、漫画』とは、そういう意味だ。」
――この人、筆力あるな。
実績は文章にオーラを付加する。
私もここまで地に足のついたことが言えるように頑張ろう。
あと、
一応、
三田紀房の言っていることが本当かどうか見極めるために
就活本の類に一通り目を通してみたいと思う。