進化を続ける「草食系男子」

「CIRCUS」という雑誌がある。


CIRCUS (サーカス) 2009年 11月号 [雑誌]

CIRCUS (サーカス) 2009年 11月号 [雑誌]


編集曰く、30代男性を主な読者層とした雑誌(非ファッション誌)で、
「すべらない男の生活入門誌」と銘打ってあるように、
何かしら生活に密着した特集が毎月組まれる。


たとえば10月号は
「昼メシに! デートに! 女子ウケ最高のうまくて安い店
 B級『モテ飯』完全攻略!」
が巻頭特集で、


11月号は
「読まなきゃ損する140冊
 今、最高に面白いミステリー」


となっている。


この雑誌に連載しているマンガ「おんなのこの正体」がなかなか面白かった。
生活の何かしらの話題について女性漫画家が担当と対談するマンガなのだが、
今回のテーマは次のようになっている。


「BLT男子」……それは野菜の中でひっそりベーコンが主張する「隠れ肉食系」のこと……


サブウェイを利用したことのある人ならピンとくると思うが、
BLTとは「ベーコン・レタス・トマト」の略である。


いわゆる「ニセ草食系男子」、
すなわち「パッと見『草食系』で、女子の気がゆるんだところでいきなり『肉食の本性』を表す野郎ども」が最近増えているらしい。


自分の周りについて考えてみても、これは事実けっこういそうだな、というのが本音である。


最初はこうした「BLT男子」に対し、


担当須田「肉食なら肉食で最初っから『口説き』でいいのに、後から本性を出すってなんかこざかしくないですか!?」


となかなか否定的な評価がされているのだが、作者アビコはこう切り返す。


アビコ「大体『スマートでソツのない草食野郎』なんてウソくさくてキライなんだよねアタシ」
(中略)
アビコ「結局女が求めているのは草食っぽい『見た目だけ』なんじゃないの? 立ち居振る舞いつーか、アッサリ、ギトギト油っぽくなくて臭みもなく胃にもたれない、そんな外っツラ」


内面まで「草食系」だと薄っぺらくてつまんないよね、と彼女は指摘する。


してみると、ニセ草食男子とは、女子の潜在的ニーズに合わせて進化を遂げた人種なのではないか、
こざかしい連中だと思っていたら案外そうでもないぞ、というのがこの回の結論。




この漫画の独特の軽妙なノリがなかなか面白いので、
興味の湧いた方、
もしくは欄外に書いてある「隠れテーマは『羽生に欲情される悦び』でした」
という文言が気になった方、書店で手に取ってみてはいかがだろうか。