歌スタ 11月9日放送

先日放送された「歌スタ」。
この番組は、以下のプロセスを行うオーディション番組だ。



(1)プロの歌手をめざす「うたい人」が、音楽プロデューサーの前で一曲カラオケを歌う。
(2)「ヨロシク」の評価が上がれば、そのプロデューサーに楽曲を提供してもらえる。
(3)「ヨロシク」札の上がった歌いびとは、そのプロデューサと楽曲製作期間に入り、「キープもん」となる。
(4)そして最終プレゼンでハンター's ボス(レコード会社の人)の前で楽曲を披露し、認められればプロ歌手としてデビューできる。



この番組で、最終プレゼンを行った「うたい人」がいた。
彼の名は杉本拓朗。そして、彼を獲得したのは今井千尋(元サムシングエルスのベーシスト)。



本来ソロ歌手の発掘を目的としたこの番組において、杉本くんは「バンドでデビューしたい」と強く主張。
今井もそれに呼応し、彼らの「杉本拓朗ばんど♪」と共に楽曲をプロデュースすることにした(番組初の試み)。



その最終プレゼンが今回放送された。曲は、「ひとつ」。
私の主観では、なかなかいいパフォーマンスだった。



杉本くんは、歌手としてとても「濃い」。
独特の世界を、歌を通じてこれでもかと見せてくる。
巧さの感想を差し引いても、私はこういう歌手がとても好きなのだ。



結果、ハンター's ボスは「ヨロシク」札を挙げた。
歓喜に震えるバンドの面々と今井千尋



それに割り入って、ボスが一言。
「いまのパフォーマンスを含めて、どうしても杉本君だけに目線が集中してしまう。うちでデビューさせるなら、彼のソロデビューが条件だ」



一転して静まり返るスタジオ。
杉本君は、言った。
「このバンドでデビューするつもりでここまでやってきたのだから、それは、譲れない」



結果、改めてボスが「ゴメンネ」札を挙げて、このプレゼンは白紙になった。



収録後、反省会で泣き崩れる杉本君。
己の信念を貫いた結果、彼はプロデビューを逃した。



しかし、今井は確信していた。
この出来事を通じて、バンドはひとつになった。



ひとつになれるよ まだ間に合うはず
夜明けの向こうに 明日が待っている



この「ひとつ」のサビ歌詞のように、
彼らがまた這い上がってきて、近いうちにデビューするのではないだろうか。