「龍馬伝」スタート。
私もこの日をひそかに待ち望んでいた。
高知県出身だから、というのもその一因だが、何よりも
このご時世に改めて坂本龍馬をドラマ化することに大きな意義を感じるからである。
世の中の体制を変えた人間。
周囲が考えもしなかったことを、当たり前にした人間。
何かと「景気が悪い」などと言い訳が先行するこのご時世だからこそ、
龍馬のような志が求められているのではないか、と漠然と感じているのだ。
さて。
肝心のドラマの方は……。
凄い。
息を呑む。
開始して間もなく、目を見張った。
映画のようなフィルム回し。
思わず釘づけになる、圧倒的な臨場感。
従来のテレビドラマとは一線を画し、
幕末の土佐藩の生活模様を、この上なく写実的に描いている。
長回しを多用している点には好みが分かれるかもしれないが、
その分、役者の演技がじっくりと堪能できる。
また、大森南朋(武市半平太役)さんは「ハゲタカ」以来、約2年振りに顔を見た。
武市半平太は、龍馬と違ってスーパースターではない。
しかし、確かに自らの信念を持って土佐藩を変えようと思って行動を起こした人である。
結局彼は藩の体制を変えることができずに、最後には切腹を命じられてしまう。
その点で言えば、どこか陰のある人物だ。
ハゲタカの主人公・鷲津政彦にどこか似ている、と直感的に思った。
だから彼を大森さんが演じるのは、とても楽しみにしている。
もちろん、私の「シリーズ番組録画」リストに龍馬伝が加わったのは言うまでもない。