天の時、地の利、人の和

大河ドラマ天地人』がなかなか面白い。


この手の歴史長編は、見ていて色々な事柄について考えさせられるが、
とりわけ「人の生き方について」の比重が大きい。


本作にも3人の天下人が登場する。
手垢が付いた話であるが、改めてこの3人の生き方を端的に表すなら。


(1)自分の理想を追い求めた……織田信長
(2)現状を変えようとあがき続けた……豊臣秀吉
(3)現状で自分にできることを着実に積み上げ、
  勝算がピークに達するのをじっくり待った……徳川家康


こうだと思う。


結果として長年の天下を築きあげたのは家康だが、
これらはただの行動特性に過ぎず、どれが正解ということはない。


ただ、(1)の「理想を追い求める」のは往々にして危うさが潜在する。
過ぎた理想は個人の範疇を超えることがある。


ブラックジャックによろしく』を思い出すのだが、
たらい回しにされている急患を主人公が受け入れてしまい、
結果として本人の手に負えなくなる場面がある。


できることを着実に。
保守的、という言葉は現代ではあまりプラスに解釈されないが、
幸福を追求するならそれが最大の近道だと思う。


革新的な人間は、常に破綻と隣合わせな生き方を送ることが多い。
歴史がそれを証明している。


ただ、その方が面白い、と考える人も少なからずいる。
たぶん私はそちらとは交わらない気がする。


しかし今まで少なからず出会ってきたということは、
そちらへ転ぶ機会は転がっていたのだろうか。


さりげない選択が、あとから考えてみると重要な転機だったことはままある。
私は今まで何を逃してきたのだろう。
たぶん答えはでない。