月見草のように

空き時間にチマチマ読んでいた『野村ノート』
をようやく読み終わろうとしている。


野村ノート

野村ノート


結果、私は重度の野村シンパになってしまったので、
当ブログでは定期的に野村監督の話が引き合いに出されると思う。


……なるべく野球に暗い人でもわかるような書き方を心がける。




野村監督の代名詞である「月見草」とは、まさに私が理想とする生き方だ。


現役時代のノムさんは、守備の要たる捕手としての功績に加え、
球史に残るバッティングの成績も残している。


しかしながら、通算の
安打数、本塁打数、打点
すべてが2位。


本人も「おれは王貞治さえいなければ三冠王だった」とボヤいていたように、
結局最も日の当たるポジションである「トップ」の称号が取れなかった。


しかも、同時期に巨人で大スターとして名を馳せた王・長嶋と違い、
観客動員数5000人などという規模の当時のパ・リーグ
活躍していた野村は、世間からそれほど注目されなかった。


しかし野村は誰よりも熱心に野球を研究し、
選手として球史に残る成績を収め、
またクイックモーションやリリーフ制など、
現在も用いられている技術を生み出した。


大衆からの脚光を浴びずとも、自らの役割を自覚し、
最高に良い仕事をする。


薔薇や向日葵と比べると目立たないが、
美しく輝く月見草。


――素晴らしいじゃないですか。


昔は脚光を浴びるポジションに憧れたこともあったが、
20年生きてきて自分にはそれができないと自覚しつつある。


目立つのは目立ちたい人に任せ、
陰ながら自分の役割を着実にこなす。


理想であり。目標だ。