いま行きたい場所

今週のお題



国内に無いではないが、あえて海外に目を向けてみる。
海外で行きたい国はスペイン。



ここ半年くらい、ずっとそう思っている。
以前にNHKの「とっておき世界遺産100」で以下の地域について観たのがきっかけだ。



コルドバ歴史地区のメスキータ
セビリア大聖堂
アルハンブラ宮殿



レコンキスタの舞台となった地域に残存するこれらは、
全てイスラム教文化とキリスト教文化の混在した文化遺産である。



例えばメスキータは、以下のような経緯をたどっている。



(メスキータ外観)


・6〜7世紀、もともとこの地にはビセンテ教会(西ゴート王国時代に建設)があった。
          ↓↓
・8世紀、後ウマイヤ朝がこの地域を制服してからは、まず教会の半分をモスクとし、
 次いでコルドバ教会の所有部分を完全に買い取り、新たにモスクの建設を行う。
          ↓↓
・13世紀、カスティリャ(後のスペイン)によってコルドバが占領されてからは、
 この巨大モスクはカトリックの教会として使われるようになる。
↓↓
・16世紀、スペイン王カルロス1世の治世下にてモスクが改築され、
 中央部にゴシック様式ルネサンス様式の教会堂が建築される。



――こうして、メスキータ(スペイン語で「モスク」の意)は
世界に唯一無二の不思議な建築物となった。



(メスキータ内部)



また、セビリア大聖堂アルハンブラ宮殿が辿った歴史的経緯も実に興味深く、
スペインならではの文化史がここに見られる。
(トルコにもイスラム・キリスト融合文化はあるけれど)



異教徒の国家を征服し、教徒を追放した(もしくは服従させた)にもかかわらず、
彼らはその文化物を破壊することなく、自らの生活に転用し
そして、手持ちの文化を取り込み、新たな文化に昇華させた。



この姿勢は、ぜひとも見習いたいものだ。



例えば集団において、自分と誰かの意見がぶつかり、自分が勝ったとしよう。
その後相手の主張を完全に退け、自分色一色に染め上げてしまってはあらぬ反発を招く。



自分の軸を通すのはもちろん大切なことであるが、
相手の良いところを汲み取ることを忘れないことで、
自分だけのモノ以上に素晴らしいモノが作れるかもしれない。



――はるか昔の文化遺産は、私たちにこのような教えを説いているような気がした。