おれはもっとつよくなる

とあるゼミでの出来事。


この日は最初の授業だったので、
まずは各自、自己紹介を行った。


その中で、ひときわ輝く人がいた。


「私は歌が好きで、夏休みは歌いながらアジアを旅していました。この授業に参加した理由は……」


――そう語る彼女には、独特の存在感があった。


凛としたたたずまい。
自信と優しさに満ち溢れた声。


話を聞いただけなのに、心を鷲掴みにされたような感触。


そうか、これが魅力というものか。


しみじみと、
なんだか納得させられた。


同時に、自分に改めて喝を入れ、気を引き締めた。


周りに流されたり、
知人の視線を気にしたり、
「KYにはなりたくないんで」とか知ったようなことを言って小さくまとまっては、
彼女のような存在感は出せないだろう。


逆に、自分の芯を通す生き方、
向上心をもって果敢にチャレンジし、自分を磨いてきた人間には
独特のオーラが出る。


人はそれぞれ悩みを抱えているだろうけれど、
世間一般でマイナスイメージを持たれていることでも、
たいていは考え方しだいでプラスに変えられる。


自分に自信を持て。
根拠なんてなくていい。


そんなもの、自然と後からついてくる。
――自分の芯を貫けば。



               「世の中の人は何とも言わば言え。
                我が成すことは吾のみぞ知る。」
                    坂本龍馬