もしラスコーリニコフが日本の大学生だったら――落合尚之「罪と罰」
落合尚之「罪と罰」(アクションコミックス)
がなかなか面白い。
- 作者: 落合尚之
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2009/03/28
- メディア: コミック
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言わずとしれたドストエフスキーの名作を現代風にリメイクし、
原作の流れを踏襲しながらも別作品に生まれ変わらせた。
主人公は裁弥勒(たち みろく)という大学生。
(ちなみにこのコマで用いられているのは、早稲田大学戸山キャンパス――文学部である)
作家志望の彼は、いつしか大学に行くのをやめ、
ひきこもり生活の中で、己の自意識を肥大させていく。
ある日リサに声をかけられたことから女子高生専門の売春組織の存在を知り、
組織のリーダー・馬場ヒカルが、リサを人以下の扱いで売春させている場面に出くわす。
生きていても他人に危害を加えるだけの人間を生かしておいていいのか?
――崇高な目的が流血をあがなうだろう。
そう自問自答した彼は、ヒカルを殺害する「計画」を立てる。
「計画」を実行してからの展開が、原作とはまた違った趣向なされるのが実に面白い。
―※―マンガだけにビジュアル的にグロテスクなシーンを多く含んでいるので、
耐性のある人だけ読んでください。