人文系大学生のプレゼンテーション作法②
(前回http://d.hatena.ne.jp/bocka/20091015/1255622998の続き)
2.コンテンツはまず「目的」から設定する
よくある失敗の流れとして、
「課題テクストの要約が終わった」⇒「じゃあ考察の内容を作ろう」
⇒「Aっていう内容はどう?」⇒(Aで考察する……)⇒「なんかこれ、難しいね」
⇒「じゃあBで……」⇒(Bも頓挫)⇒「次は……」
という「行き当たりばったり&堂々めぐり」のパターンがある。
こうなっても一応学ぶことはあるかもしれないが、時間が足りなくなる危険性が高い。
時間が足りなくなると、コンテンツを「見切り発車」せざるを得なくなり、
必然的にプレゼンの質は落ちる。
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これを解決するには、まず確たる「目的」を設定する必要がある。
「このプレゼンを聞いて、参加者は何を得るのか?」
「何を得てもらうために、自分たちはプレゼンをするのか?」
これらを絶えず意識し、念頭において議論ができれば、作業は飛躍的に効率化する。
「マト」が見えていると、自ずと発言のピントを合わせやすくなるから。
自分が立てた「目的」は次のものだった。
・ゼミの「楽しい」学習風景を作り上げること
――では、「ゼミの楽しい学習風景」とはいかなるものか。
それには「参加者からの発言・議論が活発になされる」という必要条件がある。
では、「参加者からの発言・議論が活発になされる」にはどうすればいいか。
それは「わかりやすく、面白いプレゼン」が必須だ。
「プレゼンがわかりやすく、面白い」ためには何が必要か?
それは、
・内容が抽象的に偏らないこと。
・身近な例に即して納得できるコンテンツを盛り込むこと。
・レジュメの文章表現が平易で、一読して理解できること。
・パワポが要所で用いられ、視覚的に理解できること。
・知的好奇心をくすぐられる(未知で、深みのある)コンテンツを盛り込むこと。
・説明の流れが散漫にならず、一本のストーリィラインを描く形になっていること。
などなど。
――して、「これらを満たせばオーケー」というゴールを設定できた。
(最後はまだ具体化できるかもしれないが)
こうして具体的に、具体的に、タスクや目標を掘り下げていく。
また、「最終的な目的から逆算して」(ここ重要!)ゴールを設定する。
そうすれば、一つ一つのふるまいにおけるブレが減り、
仕事は飛躍的に効率化できる。
インターン時の経験と、
『週刊ダイヤモンド 09/07/11号』における「全脳思考トレーニング」
http://diamond.jp/series/newdw/09_07_11/
から身に付けたこの発想法は、私の財産と言っても過言ではない。
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2009/07/06
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是非とも、この号のダイヤモンドは読んでいただきたい。
社会人はもちろんのこと、就活に臨む大学生にとっても役に立つ良書であるはずだ。
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3.「言いたいこと」の前に「伝わること」を重視する
プレゼンを作るとき、
「自分が言いたいこと」を盛り込めばO.K.と勘違いしている人がいる。
しかし、「自分が言いたいこと」と「他人が聞いて、きちんと伝わること」と
いうのは往往にして別モノであるケースが多い。
その際の解決策として、
「自分の言いたいことを、いかにして相手に伝えるか」
を必死に考える人がいる(自分も昔そうだった)が、これは些かマトがずれていると私は考える。
先ほどの目標設定法と同じ要領で、逆算した方が、事はスムーズに運ぶ。
すなわち「8割方伝わる内容のなかに、いかにして自分の考えを盛り込むか」
という思考法である。これならマトがずれにくい。
相手に、自分の言っていることが、なるべく過不足ない形で伝わる。
これは全ての基本となる。
そこがきっちりできて初めて、さまざまな試みができるというもの。
まずはそこをしっかりと。
その上で、
・どう表現すれば聞き手の関心を引き付けられるか
を考えれば、良い発表ができるだろう。
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4.削るべきものは削る
プレゼンの資料を作っていると、しばしば
「盛り込みたいけど、内容的な軸から逸れるコンテンツ」が生じる。
軸が若干ブレるが、個人的に盛り込みたいこと。
これについては、感情的には心苦しいが、
理性で割り切って、切る。私はそうする。
そのとき「どうしても言いたい!」と思っていても、
後から冷静になって考えてみると、意外とどうでもよかったりするのだ。
だから、そうした内容はバッサリ切ることにしている。
迷いそうな場面への対処法は、予めルール化しておけば悩む必要はない。
真剣に取り組めば取り組むほど、こういう悩みがでてくる。
しかし躓いていてはキリがない。
手は奇麗に、心は熱く、頭は冷静に。
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長文になったが、とりあえず今回はこのへんで。
(昨日のと併せて文字カウントしたら3700字……レポートにできる)